子どもを授かりながらも、がんで死を目前にした男。人生の清算のため、捨ててきた故郷に目を向けるが…。 重い話で最初はとっつきにくいが、マイケル・キートンの運命に憤りながらもユーモアを忘れない演技に魅了された。 死があるからこそ生が輝くということを再認識させ ...
2009年02月
ムーラン・ルージュ
娼館のスターと貧乏作家の悲恋を現代的に描いたミュージカル。 ニコール・キッドマンのつくりものめいたスタイルは、この世界にピッタリ。ショーへのグランジの援用には笑った。 結末がほぼ見えていることもあり、中盤は間延び。パトロンを説得するために地獄のオルフェのテ ...
けもの道 小川内初枝
再婚の連れ子同士の恋(けもの道)や、母親の不倫相手との恋(二十年の電話)。根底には親らしいことをしてくれない母に対する、娘の愛憎があるのだろう。 「けもの道」の旅行の描写や、排泄に伴う感情の再燃はありきたりで平板。 「二十年の電話」での自堕落に馴れ合い、 ...
オブ・ザ・ベースボール 円城塔
これはひどい。特に「つぎの著者につづく」と題された作品はひどい。空疎な筋をペダントリーで増量。本体より添加物のほうが多い。それともこれが噂のダンボール肉まんなのか。 空から人が降る町で、バットを構えてそれを防ごうとする「オブ・ザ・ベースボール」のほうはま ...
メメント
妻とともに襲われた事故の後遺症で、記憶の保持ができない男。犯人の手がかりを刺青で掘り、復讐を果たすことはできるのか。 時間が複雑に交錯し、全貌が明らかにされる過程はスリリング。ちょっと殺伐としすぎかな。 ガイ・ピアースの鍛えられた肉体と不屈の執念が、昆虫 ...
リビング 重松清
短編の間に挟まれていく連作、「となりの花園」が面白い。最初は隣に越してきた俗物に眉をしかめる「センスのいい夫婦」が鼻につくんだけど、だんだん次はどうなるのか楽しみになっていく。 ほんとうにいろいろな人たちがいて、そんな中で付き合っていく心の持ちようっての ...
鈴木茂
捕まっちゃったねえ、鈴木茂。大麻なんて捕まったらわりにあわないのになあ。合掌。 ボーカルは微妙だけど、ギターはほんとうに巧かった。音と音のつながりがなめらかで、指に弦がすいつくような…。 まあ県の臨時職員や力士と違って、また復帰できるとは思うけど。 ...
ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎
これは傑作。平凡な男が、殺人犯の汚名を恣意的に着せられ、公権力に追われる。暴力と情報力を持った巨大な敵に、自分の胸のうちにある武器で一矢を報いることができるのか。 ストーリーは映画的なんだけど、この分量だと質を保ったまま映画化はできないね。ひとつひとつの ...
ストレンジャー
女の周囲に、あやしげなストーカーの気配。新しい恋人や隣人、父親と容疑者には事欠かず…。 レベッカ・デモーネイはヒステリックだし、アントニオ・バンデラスはイモくさい。ストーリーの後味も悪い、と三拍子そろっている。興味本位で精神病理をいじくるわ、すぐ脱ぐわ。 ...
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
死期の迫った二人が病院で出会い、夢をかなえるため最後の旅に出る。ギャングと警察に追われ、二人は目的を果たせるのか。 コミカルで、テンポがいい。幾度も幸運に救われるが、定められた若すぎる死は悲しい。 ★★★★ ドイツ映画だが、今リメイクされて長瀬智也主演で ...
郵政民営化の裏
郵政民営化「国民は内容知らなかった」麻生首相 「国民が(争点と)感じていたのは、郵政民営化かそうでないかだけだった。(民営化の)内容を詳しく知っていた方はほとんどいなかった」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。 郵政民営化不支持表明で首相が非難され ...
サウンドハウスのカタログ
サウンドハウスで楽器を買ったら、カタログを送ってきた。ものすごい数の楽器が載っている。これを見ていると楽しすぎる。近頃楽器屋巡りなんか、なかなか行く暇ないし。 カタログ請求もできるので、興味ある人はどうぞー。 ...
人でなし稼業 福田和也
様々な文体を使い分ける著者の、下品な文の極北。あとがきによると、今東光とセリーヌをモデルにしているらしい。たとえば、見かけはそんなに悪いほうじゃなかった、ある元首相はこんなぐあいに言われてる。伏字にするけど、本書では伏字なしだよ。 でも○○、こいつ人気な ...
プロフェシー
妻の死によって、幸福から失意の底に落ちた男。導かれるように訪れた町では、奇怪な出来事が頻発していた。町を訪れる前から男を見たという証言、亡き妻も目撃したらしい蛾のような男のスケッチ…。 原題「THE MOTHMAN PROPHECIES」は「蛾男の予言」か。宇宙人ものかと思っ ...
