確固とした信念で臓器を提供しないと決めている人を除き、目を通して損はない。医師や思想家、ジャーナリストなどからの告発。

医師が臓器移植をしたいがために、回復する望みがあるのに脳死へ誘導された例が次々と紹介され慄然とする。日本でも米国でも状況は同じ。

そもそも、臓器を待つ人に較べ、脳死はあまりにも少ないという。多くの患者は徒に希望を抱かせられ、待つだけ待って死んでいく。他人の脳死を待ち焦がれるような医療はやめるべきとの提言も。

自らの意思でなく、親の意思により臓器を提供する子どもは摘出の際に(脳死とされているにもかかわらず)多くが涙を流すなんていう話も。本当に意識はなく、機械的な反応なのか疑問は残る。ちなみにこれ、あやしい保守論者が風説をまき散らしているのではない。現場に何度も立ち会ってきた医師が書いている。

問題点が広く公開されず、なんとなく臓器提供の意思をカードで示しておくほうが人道に沿うのではと思わされている日本の現状は理想的ではないよね。

多角的な意見が聞ける貴重な本なのに、版元が弱小なため再版されていないのだとしたら悲しい。

★★★★★



追記:15歳未満の子どもからの臓器提供を認める改正臓器移植法が、本日17日より施行。子の意思が不明な場合、親の意思での提供ができる。しかし、医師に提供の可否を尋ねられた場合、断ることをお勧めしたい。